ヤング≒アダルト ネタバレありの感想

単館ロードショーの「ヤング≒アダルト」を観てきました。
定員80人ほどの狭い映画館。
前と後ろの座席の距離は狭く、背後からジジイの咳が後頭部に当たるたびに、
ひどい嫌悪に見舞われながら観てきました。

結論からいうと、まあまあ。
嫌いじゃないという評価でしょうか。
今後、この手の映画が増えていく気はします。

さて、早速ネタバレありでストーリーを振り返っていく。

冒頭、点けっぱなしのままのテレビから、
「人の目なんか気にするな」という話が聞こえてくる。

酔いつぶれてそのまま寝てしまった37歳のメイビス(シャーリーズ・セロン)は
愛犬に起こされ、目が覚める。
起きがけに、2リットルのコーラをがぶ飲みする。
都市を見下ろす高層マンションに住む彼女の収入はやや高いことを匂わす。
だが、彼女の疲れ切った風貌、そして散らかった部屋。
だらしない彼女の体には、つけっぱなしのヌーブラ。
彼女は顔を歪めながら、ヌーブラを痛そうにひっぺがす。

ヤング≒アダルト

彼女の仕事はヤングアダルトというジャンルの小説を書く、ゴーストライター。
連載の小説はそろそろ最終話に向かっているが、彼女はなかなか書き出せないでいる。
編集者から催促のメールはすっ飛ばし、ある男からのメールに目が止まる。
昔の恋人バディ(パトリック・ウィルソン)から、赤ちゃんが生まれたのでパーティーすると
赤ん坊の写真付きでメールが届く。
眉をひそめる彼女は、その写真をプリントアウトし、
アジア人女性の友人に、「普通、こういうの昔の彼女に送る?」と尋ねる。
「しないわよね」
なんて会話しながら、行く気はない素振りを見せる。

メイビスは毎晩のように飲み歩き、そして男をひっかけて寝る。
朝起きると、自己嫌悪に見舞われながら、男に別れを告げず、部屋を後にする。

その日はそのまま、愛犬を連れて、大嫌いな田舎へと車を走らせる。
彼女の輝かしい過去は、あの田舎にある。
さらにいえば、昔の恋人バディこそが私の最高の時と、彼女は縛られている。
とにかく、彼女は現状に不満で、周りの幸せが気に入らなかった。

田舎町に戻った彼女はホテルに着くと、すぐさま自分の部屋のように物を置き、散らかしてしまう。
よれよれのキティちゃんのTシャツに、だるだるのスウェットパンツ。
そんな雑で、自分勝手な女の孤独が、哀れで見ているものを嫌悪させる。
そして彼女は、バディに連絡をする。
「不動産探しにちょっと帰ってきたの? 一緒に飲めない?」
彼女は決して、彼に会いに来たとは言わない。
プライドが許さないからだ。
魚臭い田舎町にも帰ってきたことも彼女の恥につながる。
バディは「パパになったばかりなんだ」とその日はやんわりと断り、改めて違う日程を提案。
喜びを隠せない彼女だったが、クールに「まだいるからいいわ」と会うことを約束する。

彼女は景気付けに一人でバーへ訪れると、
その隣でジロジロ見てくる冴えない男がいる。
「なによ?」と声をかけると、
「僕のロッカーと君のロッカーが隣だったんだ」という旧友と再会。
だが、メイビスは覚えていない。
一方、マットはメイビスの輝かしい高校時代の話を熱く語る。
「昔は誰もが君に振り向く美人だった。今も美人だよね。それに作家なんてすごいじゃない」
メイビスは、酔いが増すたびにあの輝かしい過去の栄光がふつふつとよみがえり、
マットにはモテモテの女王気分に戻る。
上から目線で語り、障害者のマットを連れ回す。

すっかり酔っ払ったメイビスはマットに話す。
「私がなんでこんなクソ田舎に戻ってきたか教えてあげる。バディを取り戻すためよ」
マットは眉間にシワを寄せる。「やめておけよ。彼は幸せなんだ」
「そんなはずない。彼は運命の人なの。彼は不幸よ」

また酔いつぶれて目を覚ますと、コーラをらっぱ飲み。
愛犬は腹をすかせて、彼女の周りをうろちょろ。
どうしてこんな女と一緒になって男が喜ぶんだと思うのだが、
彼女は全く気づいていない。
過去の栄光が今の私をカバーしてくれると思い込んでいる。
ほんとうに痛い女だ。
おまけにそれに気づいてないところが、リアル。
実際、こういう勘違いした女はいるだろう。ただまだ日本では描かないだけで。

さあ、バディとのデートの日。
メイビスは入念に剃毛、ネイル、髪をセットし、メイクも都会風に。
大胆に胸がはだけた服を着て、彼をバーで待つ。
バディがやってくる。もちろん彼女の美しさにバディは一瞬たじろぐが、
メイビスの露骨な誘惑を華麗にかわしていく。
そこに見張るようにマットがいる。

ヤング≒アダルト

バディと別れると、メイビスはまたマットを連れ回す。
「彼は幸せじゃないわ。我慢してるの。だって妻がママさんバンドやってるのよ」
「次は会うの?」
「うん。ママさんバンドのお披露目があるからそれを見に行くわ」

メイビスは、バディの奥さんと会う。
冴えない女。あまり可愛くない赤ん坊。
それを見て、メイビスは彼との昔話をはじめる。
眉をひそめる奥さんだが、子供のカウンセラーをする彼女は余裕を持って適当にあしらう。

メイビスは、バディとママさんバンドを見にバーへ向かう。
彼の妻のバンドが、メイビスのお気に入り曲を偶然演奏する。それはバディと思い出の曲。
「この曲って、あなたに初めてフェラした時の曲よね」と色目を使うメイビス。
「・・・ああ」と戸惑うバディ。
だが、すっかり飲み過ぎてしまった二人。
妻が打ち上げに行くので、バディを送っていく。
家につくと、メイビスはすっかり酔ったバディの腕を掴み、
「あなたは(奥さんに我慢して)よくやってるわ」そして見つめ合い、「なんだか、昔に戻ったみたい」
二人はキスをする。
しかし、タイミング悪くベビーシッターが現れ、彼らはそこで別れる。

メイビスはもう止まらない。
必ずバディを取り戻すことにスイッチが入る。
しかしそれを止めようとするのは、マット。
「もう過去は過去だよ。彼には生活があるんだ!」
メイビスと言い合いになる。
「君は大人になってない!」マットは杖をついて去っていく。

飲み過ぎて駐車した車の前方はボロボロ。
まるで彼女の心のようだ。
それに構うことなく、車を走らせる姿がなんとも無様でみすぼらしいが、
それが彼女なのだ。

さあ、バディの赤ん坊お披露目パーティに参加する、メイビス。
彼を取り戻そうとバディに迫るが、
「どうかしてるんじゃないのか!」と一喝される。
メイビスはようやく勘違いに気づくのだが、パーティーをめちゃくちゃにしてしまう。
かつてのクラスメイトたちは彼女を哀れな目で見つめる。
昔は女王様だったのにね・・・。(コソコソ)
そんな彼女を心配していたのは、実は、バディの妻だった。
メイビスをこのパーティーに誘ったのは彼女で、孤独なメイビスが気軽に田舎に帰ってこれるようにする計らいだった。
そんな周りの優しさに何も気づかなかったメイビスは、そこを立ち去る。

メイビスがなぜバディにこだわるのかは、昔付き合っていた時、
彼の子を流産していたのだ。
彼の子を産んでいれば、人生は違ったと強く思い込んでいた。

ボロボロの彼女は、マットのところへ。
「みんな、君に憧れているよ。もっと自信を持てよ」
メイビスは、泣きはらした顔で、「抱いて」と頼む。
マットは杖をついて、メイビスを抱きしめる。
「あの頃の私は最高だった」
「それは違う。僕は今の君を見ていってる」

翌朝、いつものように自己嫌悪に見舞われながら起きると、
田舎町でくすぶってるマットの妹がキッチンにいる。
「幸せが見つからないの。他の人達はなんの苦労なく見つけてる。いい大人なのに、満ち足りないの」
メイビスの告白に、マットの妹は驚く。「あなたが?」
「そう。自分を変えなきゃ」
「変える必要ないわ」
「そう思う?」
「あなたは私の理想よ!都会で有名で!この町の住人は、”無”。最低の街。死んだほうがマシよ。私を連れてって!」
だが、メイビスは昔の自分を見ているような気になる。
「ここにいるのよ。あなたは」
彼女はおんぼろの車を走らせ、都会へと帰っていく。
さあ、子供を卒業し、大人になれるだろうか。

これからやっと始まるんかい!!みたいな感じです。
マイレージマイライフもそんな感じでしたね。
それがヤングアダルトなんでしょうが。

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