ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ネタバレありの感想

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を観てきました。
2週間ほど前に。。
完全なる満席で、おそらく観終わった後は感動するんだろうなーと期待を上げ、
お隣のカップルは映画が始まる前にチューをして観始めていました。

感動を求めて、皆さん鑑賞しに来たんだろうけど、
この映画、詰め込みすぎて、なに言いたいんだか、よーわからんかった。

わたし的見解ですが、この映画は映画館で見なくてオーケー!
テレビでやる時、見ればよし!やるのかしらんけど。
そのレベルです。

まず、冒頭の父親と少年オスカー(トーマス・ホーン)の回想シーンで、
かつてニューヨークに存在したという第6区を父ちゃんの話を信じて探すんだが、全然面白くないし興味ないよね。
そもそも冒険的じゃないんだよ。この少年には冒険なんだろうけど伝わらないんだ、これが。
で、宝石商の父ちゃんがアスペルガーぽい息子を良い感じで育てるあたりは見心地いいんだけど、
オスカーの感性が微妙にずれて描かれているんで、感情移入が難しいんだ。
こういう場合、我々観客は父親に感情移入してしまうんだよ。
少々難ある息子を寛大の愛で、受け止めるんだからね。
わかりやすい方に、観客は流されるんだ。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

その父ちゃんが、9.11に巻き込まれて、早々と消えてしまう。
あとは、父ちゃんの死を受け入れられない内気なオスカーが、
父ちゃんの部屋のクローゼットから、ある“鍵”を見つける。
この鍵はきっと父ちゃんが残したメッセージかも知れないと思うわけだよ。
彼はそういう固執する性格なんだわさ。
鍵の入っていた封筒の『Black』の記載を手がかりに、
オスカー少年は鍵の謎探しに、ニューヨークの街へと飛び出していくんだ。

「鍵があるってことは、鍵穴があるってことだ」
みたいな所々のセリフはいいんだよ、この作品。

その中で、オスカーが父ちゃんの死を徐々に受け入れ、どう変わっていくのかが、ストーリー展開の柱になる。
こう書くと、王道の感動ストーリーになりそうだけど、なんかならないんだよ、この作品。

というのは、
オスカーにはちょっと問題が多すぎるんだ。
それが魅力的ならいいんだけど、なんかイライラしてしまうんだよね。
問題がキャラクターの弱点になればいいんだけど、あまり触れらないんだよ。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

例えば、9.11以降トラウマになってしまって、高いところや公共物の乗り物には乗れないんだ。
これはキャラクターの縛りになる重要なキーになるよね。
タンバリンを叩かないと渡れないとか面白いんだけど、タンバリンの音ってイライラするんだよ、こっちが!
私みたいに突っ込む人がいてもいいのに、誰も突っ込まないのがこの映画の不思議なところでもある。
それで、公共物の乗り物の克服のシーンは、一緒に鍵を探してくれることになったじいちゃん(中盤までは、祖母の家の間借り人という役。でもバレバレだよね)が「乗らないといけないぞ」みたいにさとして、置いていこうとすると、あっさり乗るんだよ。
もちろんパニックになるよね?ってこっちは無理やりハラハラして見てあげてんのに、電車ん中で普通に会話しやがる。

なして、そんななの?
パニックになって、じいちゃんを困らせろよ、と思うわけですよ。
だって、そのじいちゃん、結構ふざけたいい加減な人だからね。魅力たっぷりなんだ。
魅力あるキャラは困らせなきゃいけないんだわ。
さらに言えば、オスカーの唯一の味方なんだから、オスカー的にこの人を失っちゃダメだって緊張を作らないといけないんだわね。
でもぜーんぜん、無視してんの。オスカーのほうが立場が終始強いの。
まあ、じいちゃんが喋れないっていう縛りを作ったのも失敗だよね。
問題が多すぎだよ。

それと、自傷癖があるんだよオスカーくん。つねるか、なんかして体中アザだらけなんだけど、
あれだけのアザなら、かあーちゃんが気づくだろうし、慌てるよね。
通報されたら、かあーちゃん一発でアウトみたいな国でしょ? あんまり知らんけど。
で、じいちゃんにそれを普通に見せちゃうんだから、この子はどうして欲しいのか、よーわからんのよ。
普通隠すでしょ、ずっと。
母ちゃん、ごめん。って言いながら、いけないこととわかりつつ、つねる。
天に向かって「父ちゃん、やめさせたかったら、戻って来いみたい」につねってんなら、こっちもグッと来るかもしれんが、お前、何したいんだよ。理由を観客に教えろ!となっちゃうわけ。
で、結局あの行動なんなのかわからない。

キャラクターに詰め込みすぎなんだよ。
弱点は1つにしてくれよ。
すべてを9.11のトラウマにしてしまいたいなら、そのドラマにしてくれ。
こちとら頭悪いんだからね!!ついてけねーよ。

で、泣けるぞーという場面は、
父親の留守電ね。
オスカーは、ビルに飛行機が突っ込んで噴煙を上げている映像をテレビで見てんだよ。
その間に、父ちゃんが「誰かいないのか。いるのか? いるのか?」とか言いながら話しかけるんだ。
オスカーがビクビクして電話の前にいるのが分かってて。
計6回くらいかかるんだけど、ビルが崩壊するその瞬間まで電話を取れなかったの。

で、その留守電機器を、家にいない母ちゃんが聞かないように自分の部屋に隠しちゃうんだ。
わざわざ新品に取り替えてまで。
それをずっと言えずに、母ちゃんに嘘をつき続けているという罪悪感から、
母ちゃんとうまくいかないんだ。
あと、父ちゃんの亡骸がないのに葬式したことにも許せないみたいなのもあって、
母ちゃんに怒りをぶつけるの。

読んでいる方、わかります?
詰め込みすぎてるでしょ。
問題が多すぎるんだよ。
9.11の被害として、それを強調させたいならそれで構わないけど、
伝え方はもっといっぱいあるでしょ。

で、ラスト、母ちゃんは全部知ってたでー!
知ってて、息子が狂ったようにしている鍵探しを止めなかったんだでー!
むしろ先回りして、バックアップしてたんだでー!
っていうのがオチみたいなんだが、全然衝撃がない。
だって母ちゃん、ほとんど息子に困り果て、泣いてるシーンばっかなんだもん。
知ってたなら、父ちゃんみたいにやって、「母ちゃんは、父ちゃんになれっこない!」みたいにオスカーに言われれば、観客もグッと来るのに。
困り果てて、メソメソ、シクシク。
そりゃ、オスカーに「母ちゃんが死ねばよかったのに」と言われますよ。

観客がそれに、んだんだ。となったらダメ。
(下手クソ!とメモに書いてありました)

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オスカー「パパの何が恋しい?」
母ちゃん「声が恋しい」

今こそ、留守電を二人で聞いて、克服する時だぜ!二人で前に進もうぜー!
的展開かと思ったら、華麗にスルー。

そしてお世話になった方々に手紙を出して各々少年の優しさに感動し、
幻の6区を見つけ、父ちゃんの手紙を発見し、終わる。

なんじゃその話。
ヒューゴといい、ハズレが続いているので、機嫌が悪い記事になってしまった。
お好きな方には申し訳ない。
ただ、父と子の話はもっとうまく書こうよ。
ALWAYSなんか最高だったよ!

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脚本の書き方
かわいい!コス