スーパー8(Super 8) ネタバレありの感想

スーパー8(Super 8)を観てきました。

去年、予告編ムービーが公開されてから、そこかしこに仕掛けやメッセージがちりばめられ、
その謎を解いた映画ファンが、謎のサイトにたどり着き警告を受けるといった、
期待値を上げるエンターテイメントぶりでしたが、
映画に関しては、がっかりでした。

冒頭、オハイオの小さな町で保安官の父と暮らす少年ジョー(ジョエル・コートニー)は、
工場の事故で死んだ母の葬儀を抜け出し、形見のペンダントを見つめて一人悲しみに暮れていた。
もうジョーはゾンビ映画なんて作らないよな、と映画製作仲間の少年たちは残念そうに語る。

しかしその4ヶ月後、ジョーたち少年4人はゾンビ映画を製作する。
さらに作品として厚みを持たせるため、
少年たちの憧れ、アリスという女の子に映画に出てほしいと頼む。
だが彼女は、ジョーを露骨に嫌う。
ジョーの父が保安官で、アリスは父親から車を無断で借りていることを気にする。
ジョーは絶対に話さないと約束し、彼らはゾンビ映画の撮影に向かう。

愛想のないアリスに、ジョーはメイクをする。
彼女を見つめながら、遠慮がちに触れる様子は、
その年頃ならではの気恥ずかしさやドキドキ感があって良いシーン。
リハーサルが始まると、思わず息を呑むような演技をアリスがして、
ジョーたちは見惚れる。
その時、背後から列車がやってくる。
脚本家で映画製作に情熱を燃やす、太っちょの少年がカメラを回せ!と声を張り上げる。
慌ててカメラをセットし、少年たちはそのシーンを撮り始める。
アリスの素晴らしい演技。風景には電車。
完璧なシーンに集中する一方、ジョーは怪しげなトラックが踏切の中に入ってくるのを見つける。
危ない!と彼が叫ぶのと同時に、トラックと列車は正面衝突。
列車は脱線し、派手に列車は破壊され、少年たちの方にまで迫ってくる。
皆は個々に散らばりなんとか危機を脱する。
その間、カメラは回っている。

ジョーは、皆の無事を確認しながら、ある車両から飛び出た謎の白いキューブを発見。
何気なくそれを持ち帰ってしまう。
そして列車に突っ込んだトラックに少年たちは近づく。
するとドライバーは生きていた。
しかも彼らの物理の教師だと分かる。
彼らは近づこうとするが、教師はこの事は誰にも話さずにすぐに逃げろ、と銃を向ける。
訳が分からない少年たちは、その場を逃げようとする。
遠くの方から軍の車両が近づいてくる。
どうもやばいと感じ取った彼らは、撮影したカメラを持って車で走り去る。

そして彼らはどうなるのか……。

正直、オープニングからここまでの15分くらいがピークで
あとはありきたりなストーリー展開でした。

何が不満なのかといえば、ここからはネタバレありで話します。

軍は事故現場を捜索します。
そして何者かがいた事が分かる。
もちろん少年たちの危機を視聴者に煽るわけです。
だけど、その恐怖が全然続かない。
軍はまったく彼らにたどり着けない。
少年たちは軍の捜索を脅威にすら感じない。
少年たちにとって、対誰が敵か分からなくなってしまう。

また、アリスの父親のキャラ設定が安易過ぎる。
前半は興味をそそられます。
ジョーに、「娘に近づくな!」と凄みを見せるあたりはなんだろうと思わせる。
でもアリスもジョーもあんまりびびってない。
なぜなら彼らは事情が分かってる。
アリスの父親は酒飲みのグータラ。
彼の代わりに、休みだったジョーの母親が工場に出勤したために、彼女は事故に遭い死んでしまった。
事情を理解してるから、当の子供たちはそれほど脅威に感じていない。
アリスは平気で夜抜け出せるし、撮影も続行できる。
父親が嗅ぎ回ることもないので、大したカセにならない。

またジョーとアリスもおかしい。
拾ってきた謎の白いキューブが動くのを確認しても、
特別ワーと騒ぎになったり、パニックになったりしない。

アリスがエイリアンに襲われてしまったことが分かると、
助けに行こう!とジョーは話し、少年たちは行く。
なぜ生きてると思ったのか。
どうやって助けるのか。
なにかしら武器なり、応戦する何かを得てその行動に出るべきではないか。
観てるこちらにはなぜ彼らがその行動をとるのかわからない。
まして、太っちょの少年はジョーとアリスが両思いであることに嫉妬している。
なんで協力するのか。
この年頃であれば、意地悪したくなるものじゃないのか。
なぜかすごく協力的。

エイリアンが暴れる目的は、宇宙船を作って帰りたいということらしい。
結果的にこれまたサクッと作って帰り、エンディングとなる。
でも人類はバシバシ殺されている。
それなのに、感動で終わろうとする。

ついていけないんですよねー、他の方はどうか知りませんが、私個人としては。
確かに人類がエイリアンを研究のため虐待まがいの事をしてたというのが話ででてくるんだが、
映画「第9地区」のように、それが視聴者に分かるように見せないとダメ。
視聴者として、まったく感情がひっくり返らない。
観客の感情をひっくり返す基本中の基本がなってない。
感動させるためには、一度観客をエイリアンに感情移入させないと、
ひっくり返らないですよ。

極めつけは、エイリアンにジョーが襲われそうになるんだが、
ジョーはエイリアンに語る。
「辛いこともわかる。わかるよ。でも生きていける!」
鼻をフーンフーンとさせて、エイリアンはなぜか許し、彼らを逃がす。
どういうこと?
雑過ぎる。何を言いたいのかさっぱり分からない。

で、ラストは、親子の絆を取り戻し、家族の再生みたいなとこに落として、
人類よ、手を取り合えみたいな話にする。

なにそれ?です。

まったくこれといった新しさはなく、
過去のスピルバーグ映画を総まとめに焼き直しして見せられた映画でした。
元々、スピルバーグ作品を夢中になったことないので、
私はついていけませんでした。
記憶に残るような映画ではないです。
しかし冒頭の15分の素材が良かった分、もったいないですよね。

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