宇宙人ポール ネタバレありの感想

冒頭、1947年、田舎町の小さな家から犬のポールが外の異変に気づき、家を飛び出す。
後を追いかけた少女は目の前の光景に唖然とする。
そして、舞台は現代にかえる。
SFオタクのイギリス人クライブ(サイモン・ペグ)とグレアム(ニック・フロスト)は、
全米最大のコミックイベント、コミコンと米中西部のUFOスポットをめぐる車の旅を楽しんでいた。

クライブは作家。グレアムはコミック画家。
二人はアメリカにくるのが夢だったため、はしゃいでいる。
仲良しの二人は行く先々で、ゲイに間違われる。
それに気にすることなく二人は旅を楽しんでいると、後方から猛スピードで彼らの車を
追い越した車がクラッシュする。
慌てて二人は車を飛び出す。運転席を覗くが人はいない。
不審に辺りを見渡すと、リトルグレイの宇宙人ポールに遭遇。
ポールにフランクに話しかけられて驚く二人。
クライブはそのまま失神し、失禁する。
グレアムは戸惑うが、ポールは「人に追われて困っているから助けて」と頼む。
グレアムは断りきれず、失神したクライブを抱えて、ポールを車に乗せて発進。
遅れて、追っ手の捜査官ゾイルがやってくる。
いかにも手強い相手に見える。彼は周辺を鋭い目つきで探り、濡れた水の塊を見つけると、そこへ指をいれ口に含む。
しかし、すかさずぺっと唾を吐き捨てる。
そう、それはクライブの失禁の跡だった。
と、こんな感じで、緊張と緩和のとれた笑いがたびたび巻き起こりこの映画は面白い。

目が覚めたクライブはポールを警戒。
彼が想像していた宇宙人像ではない。
毒舌で下品でフランク過ぎるポールを好きになれない。
だが、ポールが政府に捕らえられ囚人だったと知ると少し同情する。
検問をくぐり抜けるときには、すでに彼をかばおうと奮闘。
ポールは息を止めると姿を透明にできるので、検問をクリア。
ポールの饒舌な語りに惹きこまれ、スピルバーグに協力しSF映画の宇宙人のモデルは自分だと知ると、
オタク二人は大盛り上がり。
しかし今、政府がポールの幹細胞に興味を示し、脳を切り取ろうとしているので逃げている。
内部の協力者に手を貸り脱走したが、迎えに来る仲間たちの元へたどり着けるか微妙。
クライブとグレアムは、ポールをなんとか送り届けたいと思い、協力することを誓う。

車を走らせていると、ボンと窓に鳥がぶつかる。
慌てて停車するが、鳥はすでに即死。
落ち込む二人をよそに、ポールは鳥を両手に乗せると鳥は息を引き返す。
ここで彼の能力、生き返らせることができることが示される。
だが、人間を生き返らせるには危険なリスクがあり、したことがないという弱点も示される。
どうやら話の肝になりそうな予感。

車はキャンプ場につき、彼らは休むことに。
そこで管理者のルースという女と出会う。
彼女は片目を失っている。キリスト教原理主義の父の元に育ち、抑圧した人生を歩んでいる。
翌朝、ルースはクライブたちの車を訪れる。
2人組と聞いていたのに、トイレからもう一人の声が聞こえる。
クライブとグレアムは取り繕うとするが、イエスを信じるかという話でポールとトイレを挟んで口論に。
「じゃあ俺は何だ!」とトイレからポールが出てきてしまう。
人類は進化の歴史なんだ、人は神の創造物ではないと示すが、ルースはそれを目の当たりにして気絶。
クライブたちは慌ててルースを連れて発進。
だが厳格な父親がそれに気づき、彼らの車に銃を発射。
ポールらは、追っ手をもう一人増やしてしまう。

こうして二人仲良く楽しい旅になるはずが、捜査官ゾイルと凶暴なルースの父に追われる旅へと変わる。
だが、ルースはポールから人類のあらましをテレパシーで知り、キリスト教原理主義を速攻に捨てる。
またポールに左目を治してもらう。
彼女は解放されたように汚い言葉を話し、性にも目覚め、グレアムに突如求愛。
その様子を見たクライブは嫉妬する。
それをなだめるポールという、友情が生まれる。
4人はキャンプファイヤーをしながら、永遠の親友を約束する。

映画も中盤にさしかかって気づいたが、観客のツボの違いに気づく。
映画は「未知との遭遇」「E.T.」など名作SFへのオマージュを散りばめられている。
SF映画好きには、ニヤッとする場面が多そうだ。
残念ながら、私はその方面は苦手なのでかなり損している。

終盤、ポールにはどうしても会いたい人がいる。
自分が乗ってきたUFOが落下し、犬を殺してしまった。
そして少女を傷つけた。それにもかかわらず看病してくれたあの少女に会いたい。
追っ手からギリギリで逃れ、昔少女が住んでいた家に寄る。
ポールは、もう少女ではない老女に恐る恐る話しかける。「ハロー。タラ」
めっちゃ怒ってるタラ。
だがタラはまさかポールが生きているとは思っていなくて喜んでいた。
そんな感動の再会の最中、追っ手の奇襲に彼らは遭う。
ポールたちは大慌てで逃げる。
やっと逃げ切ったと思われた時、凶暴なルースの父が現れる。
もうダメかと思われた時、タラの家が爆発。
ルースの父も被害に。
さあみんなで逃げて、あとはポールを送り届けようとグレアムが声をかけるが、
ルースは車を飛び出し、「パパ!」と心配して戻ってしまう。
グレアムもその後を追いかける。「戻ってこい!」
だがルースは父が生きているのが分かると、「生きてるならいいわ」とすぐに車へ引き返す。
唖然となるグレアム。
緊張が高まっていた分、ここで映画館は一番の笑いが起こた。

そしてラスト。
なんとか宇宙人の仲間たちと落ち合う場所にたどり着いたポール一行。
だがそこに現れたのは、SF映画好きが待ち望んでいただろうあの女性が登場!
追っ手はゾイルではなく、この女が黒幕だと分かる。
ゾイルはポールを逃がすためにフォローしていた。
女は怒り発砲。グレアムが身代わりになり撃たれてしまう。
そして死ぬ。
宇宙船がやってくる。
ポールはどうするのか。
リスクを承知で能力を使い、友を救うのか。
それとも友を見捨て、去るのか。
こうしてSFものではお約束の友情映画に変わる。

よく出来ている映画だと思う。
笑いの生み出し方もうまい。
SFが苦手の私もかなり楽しめた。

だが、どこか足りない。
展開に平坦さを感じ、腹がよじれるほどのコメディではない。
やはりオマージュという部分もあり、新鮮さをあまり感じられなかった。
ラストも予想ができ、後半になるにつれ緊張感より緩和が多くなっていた。
つくづく思うが、コメディーはバランスが難しい。
しかし、キャラが一人残らずクセがあり面白いのは間違いない。
ポールは最高に面白い。下品さが飛び抜けている。

私は渋谷で観たが、あまりいい映画館で公開されていないようなので、DVDで観てもいいだろう。

宇宙人ポール

Pocket

脚本の書き方
かわいい!コス