50/50 フィフティ・フィフティ ネタバレありの感想

ネタばれする前に話が長いのではじめに言っときます。
50/50 フィフティ・フィフティ 観るべし! オススメ!
今年最後のいい映画でした。満足。

さて、この映画、私個人の経験とダブるところがあり、
当時のことを思い出しながら観ておりました。

22才の時、幼なじみが血液の難病で倒れてしまった。
今回のケースと似てて、生存確率は50%より低かったと思う。
毎週のように見舞いに行くのだが、
私は病室に入る前、気合いを入れて彼と会っていた。
なるたけ面白い話を引っさげ、彼の話はすべて肯定的に聞こうと決めていた。

日が経つに連れ、だんだんと治療方法がなくなり、選択肢が減ると頭に友人の死がよぎった。
本人はもっと絶望的に悩んだだろう。
私もどう接するべきか、ということでいろんな本を探った。
そこで出会ったのが、「死ぬ瞬間」という本。
人は死を段階的に受け入れて死ぬことを知った。

1段階 — 否認 「まさか、この俺が・・」
2段階 — 怒り 「なんで俺がこんな目に!ふざけんな!」
3段階 — 取引  助けてくれるものはないか。解決方法を探る
4段階 — 抑うつ 「もうどうしようもない」絶望 何言っても声が届かない状態
5段階 — 受容 すべてを受け入れ、自分は何が出来るか考え始める

これを頭に入れながら、彼はどういう心境で私と向き合っているのか改めて話をした。
すると見えてきたのが、彼はすでに「受容」していた。
というより、かなり早い段階で受容していたので、
昨日まで無菌室にいたのに、普通病棟に戻るとテンション上って、
すぐに私を呼んで病院を抜け出し、近くの喫茶店でコーヒーを飲み、タバコを吸い、甘いものを食べていた。
こちらは戸惑うのだが、楽しそうにしているので何も言えない。
もちろん彼の親や先生から怒られるのは、私だ。

まあ、こちらも色々と覚悟していたが、奇跡的に彼は病に打ち勝ち、今も好きなように生きている。

映画の『50/50』は、上記の段階を踏まえながら、主人公はガンと向き合う構成になっていた。(多少違うが)

さあ、ここからネタバレありで感想を述べる。

冒頭。
早朝ジョギングをしている、主人公のアダム。27才。
快調に走っていたが、赤信号のため彼は止まる。
だが、車はまだ走っていない。ほかのランナーは信号無視して彼の横を通りすぎていく。
それを苦々しく見つめる。
そして彼は痛そうに腰をさする。

家に戻ると、恋人で画家のレイチェルがいる。
彼女は彼の部屋を汚し、甘えている。
「服が見つからないの」とずぼらな彼女を、アダムは温かい目で見つめる。
「服なら、引き出しにしまったよ」
レイチェルは、アダムに言う。「あなたって、主婦みたい」
アダムのおおらかで、几帳面な性格が対比的に示される。

車の運転ができないアダムは、同僚で友人のカイルに送ってもらう。
二人は、公営ラジオ局で番組制作をしている。
カイルは女好きで、汚い言葉ばかり話す。いい加減な性格で、健康にも気を使っていない。
アダムが最近背中が痛いと言うと、「そりゃセックスの体勢が悪い」と笑ったり、
セックスはレイチェルと3週ヤッてないと深刻に話すと、「なんだよ、あのクソ女。別れちまえよ」と取り合わない。
おまけに仕事のスタイルも正反対。真面目と不真面目。
そんな二人だが常に一緒にいる。

背中が痛いので病院にやってきたアダム。
診断結果を聞いて愕然とする。
「悪性神経鞘腫 神経線維肉腫」つまりは、ガン。
アダムは信じられない。「僕はタバコも酒もやらないし、それにエコにだって気を使ってるし…」
家に戻り、ネットでこのガンを調べると、5年後の生存率が50%、転移後の生存率は10%。
彼は打ちひしがれる……。

まずは一緒に住む恋人レイチェルに話す。「…というわけで別れよう」と気を使う。だが、
「そばにいるわ」と意外にも彼を支える宣言する恋人。アダムは喜ぶ。
一方、友人カイルは、ガンと聞いて嗚咽する。「気持ち悪い。それで助かるのか」
「調べたら、50%だって」するとカイルは、
「なんだよ。たいしたことないじゃん。カジノならバカ勝ちだ。いい面だけ考えろ」
言葉をなくすアダム。さらに彼には伝えなければいけない相手がいる。母だ。
アダムは、母を苦手としている。クレイジーなほど過保護なので面倒だと思っている。
だがレイチェルに促され伝えると、案の定パニック寸前に陥る。

ここまで観てきて分かるのだが、アダムは何一つ悪いことしていないが運が異常に悪い。
パニックを起こしたいのはアダムの方なのに、周囲の方が特徴的で、先にやられてしまうのでどうしても彼はおとなしく、冷静になってしまう。
そこで、セラピストのカウンセリングを受ける。
だが、ここでもがっかりする。
キャサリンという24才の研修医が担当することに。
教科書通りのやりとりにうんざりするアダム。「僕は何人目の患者なんだ? 初めて? 2人目? ああ。3人目なんだね」
彼は絶望的になる。

家に帰ると、レイチェルが勝手に犬を飼い始めている。それも引退したレース犬。
アダムは、飼わなければ殺処分されると聞き、仕方なく飼う。
職場でアダムに同情する面々を冷ややかに見る、アダム。
その向こうで、アダムのガンの悲しみを利用して、女をナンパする友人カイル。
アダムはどんどん冷めていく。

抗がん剤治療を開始する。するとそこには年配の先輩患者が抗がん剤を受けている。
そこでハッパ入りのマカロンをくれるオヤジに促され、アダムはハイになる。
その後、治療仲間とハッパ友達になる。
そして恋人に会わせろといわれる。アダムは「いいよ。彼女は駐車場で待ってるから」と得意げ。
だが、レイチェルはいない。一時間も待ちぼうけしてやっとやってくる。
アダムは不満に思う。

そんな中、カイルはアダムをだしにナンパした娘とデートしていると、
レイチェルが浮気している現場に遭遇。
証拠写真を撮って、アダムに見せる。
レイチェルは弁解する。「あなたには分からないわ。看病の大変さが」
アダム「でも、病気になる前から僕ら関係は良くなかったよね…」(セックスしてないし)
カイル「この女。ただのビッチだぜ。別れちまえよ。出て行けよ!」
レイチェル「あんただって、ガンの友達をいることを利用してナンパしてるじゃない!」と口論。
またアダムは置いてけぼり。
そしてカイルに促され、アダムとレイチェルは別れる。

終始、カイルはアダムに対して明るく接する。
だが、次第にアダムはそれを嫌がる。
カイルはアダムを連れてはナンパをし、女と寝たがる。
アダムも付き合い、セックスをするが途中でやめてしまう。
彼は、抑うつ状態に入っている。

アダムの相談相手は、あの頼りない研修医のキャサリン。
キャサリンは元カレをFacebookで追い、次の彼女ができたんじゃないかとチェックするのが日課。
「それをやめたいのに」と弱音を吐く。「患者に相談してどうすんのよね」
次第に二人は弱みをぶつけ合い、晒し合うと惹かれていく。
キャサリンは、患者とプライベートな関係はよくないと思いながらも、アダムに携帯番号を渡す。
緊急の時だけよ、と付け加えて。
二人は親密な話をするようになる。
アダムが母の過保護が嫌で連絡をしていないというと、
「あなたはクソったれね。お母さんは、夫がアルツハイマーで、息子がガンなのよ。親は変えられない。自分が変わるの」と忠告。
だんだん頼もしくなっていくキャサリン。
そして嬉しそうにするアダム。

しかし、治療仲間の一人が死ぬと、再び彼はネガティブになっていく。
キャサリンに「死を意識し始めたよ。気休めはやめろ」と八つ当たり。
病院に連れていって欲しいのに、カイルに連絡すると繋がらない。
仕方なく、母に連絡して連れていってもらうが、「お節介はうんざりだ」と当たる。
そして医者から、「抗がん剤は効いてない。あとは危険だが、手術するしか方法がない」と言われる。

その夜、アダムはカイルに言う。「手術するよ」「大丈夫なんだろ?」「・・・」
「昔、ここに来たよな」と海を見て思い出話をするアダム。
だがカイルは一人ビールを飲み、酔っ払う。「寒いから、ナンパしに行こう」と立ち上がる。
アダムは「飲酒運転だろ。俺が運転する」
カイル「お前は車が危ないから運転しないんだろ」
アダム「いいじゃないか。これが最後かもしれないんだから」
カイル「…わかったよ」
アダムは車に乗ると、急発進。道路を逆走して暴走。
慌ててサイドブレーキを引くカイル。「なにしてんだよ!」
「降りろ!」とアダムは車内で暴れる。そして泣き喚く。「お前友達かよ。女とヤルことばっかり考えやがって!」とカイルを外へ締めだす。
さんざん叫声を上げたあと、アダムは携帯を取り出す。
そして緊急として、キャサリンの携帯に連絡をする。
「今、神経がぶち切れちまったみたい」
「アダム。連絡くれて嬉しい」
キャサリンの励ましで、アダムは落ち着きを取り戻す。
そして酔ったカイルを家に送る。

アダムは、カイルの家の洗面所で手を洗っていると、本を見つける。
そこには、『がん患者と共に』というどう接すればいいかという本だった。
眠っているカイルを確認し、中身を覗くと、ページの端を折って、至る所に赤線を引いている。
それを知り、アダムは友情を再確認する。(グッとくるポイント。みんな同じことやってんだと、一人納得)
カイルはなぜ酔っ払ったのか。酔わないと聞いてられなかったのだと分かる。

手術当日の朝。カイルは神妙な顔でアダムを送る。
「また会えるだろ?」「ああ」とアダムは行く。
そしてアルツハイマーの父に「愛してるよ」と伝える。
母とも泣きながらハグをして「ハワイに行こうね」と手術室へ向かう。
キャサリンも仕事が終わると駆けつける。

みんなが祈る中、手術の結果は……

最後まで友情には笑い、泣かされました。
そして周囲はみんないい人に変わった。いや、変わったのではない。
アダム自身が自分を変えたんだと分かる、いいお話でした。

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脚本の書き方
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