記憶はウソをつく

われわれの記憶の不確かさを証明する、
ショッピングモール実験というのがある。

これは、実験協力者たちが子供の頃に体験した四つのエピソードを
実験協力者たちに読み上げ、それについて思い出すことを記入してもらうというテスト。
この記入を思い出すたびに数日かけてしてもらう。

まず、
実験協力者の家族から、実験協力者が子供の頃に経験している
出来事を三つあげてもらい、
それぞれの出来事を一段落程度の簡単なエピソードにしてもらう。

そして、
この三つのエピソードにプラスして、
実際には実験協力者が経験していない、
偽物のエピソードを一つ用意する。

それは、
ショッピングモールで迷子になったという偽のエピソード。
内容は、五歳の頃、ショッピングモールで迷子になり、
泣いているところを老人に保護されて、なんとか家族と再会することが
できたという話。

だから、四つのエピソードを読み上げられても、
この偽のエピソードを思い出すはずがない。
なのに、人間はこの偽物の話をなぜか思い出してしまうという
人間の恐ろしい記憶の曖昧さが垣間みれる実験。

実験協力者は、偽のエピソードをあたかも本当にあったかのように
当時の恐怖、心情、感情、ショッピングモールの風景、
全て思い出す始末。

実験後、この話はこちらで作ったエピソードですというと、
「信じられない。私が思い出した記憶はなんなんですか」
と戸惑うらしい。

人間の記憶は曖昧だ。
大抵、後から付け加えられた情報や経験が記憶に変貌する。

だから私たちが記憶として残っている思い出は、
案外自分で書き加えられ、美しなっていることが多いのではないか。

興味深い一冊だった。

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